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白くまオヤジとまっ赤なアルファ
風体の上がらぬ白髪頭の40オヤジが手に入れたのは、なんとまっ赤なアルファロメオだった。ちょっと古いラテン車好きがアルファ147と繰り広げるドタバタ奮闘記。
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ALFA ROMEO
ALFA 75 TWIN SPARK

アルファロメオアルファ75ツインスパーク


【メインテキスト】


アルファロメオ最後のフロントエンジン&リアドライブ、最後の純潔アルファロメオ……」などと、全世界のエンスージャストから熱狂的に支持されたアルファ75シリーズ。まさに異常人気(!)といって差し支えないものであった。


もともとアルファ75は1985年にデビューしたコンパクトスポーツサルーン。そのデビュー年はアルファロメオにとって創立75周年に当たり、アルフ75というネーミングはそれに由来する。日本市場では2年のブランクを経て、88年に輸入が再開された時のアルファロメオのメインモデルであった。


そして前述の理由などから、前輪駆動方式が採用されたアルファ155の時代になってから逆に人気がアップし、中古車市場ではしばらくの間、高値安定が続いたのである。しかし現在はようやくその異常人気も落ちつき、今が買い時といった雰囲気がある。


エンジンはアルファ6以来のV6搭載モデルもあったのだが、A/Tでラグジュアリーに乗るのはV6、クルマ好きは5速M/TでDOHC(ツインスパーク)、2.0Lの直列4気筒エンジンを搭載したアルファ75TSといった風潮であった。


そのツインスパークユニットは、最高出力145馬力、最大トルク19.0㎏mを発生。ボッシュ製のモトロニックによってコントロールされ、可変吸気システムを備える。現代の水準からすると控えめな数字ではあるものの、1200㎏にも満たない軽いシャシーと相まって、ドライビングフィールはなかなか軽快。しかも低中速域でのトルクの立ち上がりも良く、国産車にはない力強さを感じる。


またポルシェ928やフェラーリ・マラネロなどと同じように、トランスアクスルのレイアウトによってほぼニュートラルステアを実現しており、後輪駆動ならではの素直なステアフィールを誇る。しかしその5速M/Tは独特の操作感で、好みが両極に分かれるところ。馴れた人はその曖昧さがいいという。ただアルフェッタ系のころと較べると、かなり扱いやすくなっていることは確かなようだ。


サイドモールが特徴的なボディスタイルは、第二世代のジュリエッタと同様にスクエアでシャープなラインで構成されるが、こちらの方がややアクが強い。いや、少々破綻している(!?)と言えるかもしれない。これまた好き嫌いがあるようながら、今見ると個性的でなかなか新鮮であることは間違いない。乗れば乗るほど馴染んでくるスタイリング、と表現したオーナーがいたが、それも理解できるような気がする。逆に言えば、今乗ると目立つ通好みのスタイリング、となるのだろうか。


ちなみに車高のあるスクエアなボディフォルムは居住空間の確保にも一役買っていて、セダンとして正しい姿を持つ。センタートンネルはやや大き目ながら、頭上空間や肩周り、足下などに窮屈感はない。ただドラポジに関しては『?』マークが付くことは確かで、ちょっと古いイタ車ならではの、ステアリングが遠くてペダルが近いという通称“イタポジ”なのはご愛嬌といったところか。


趣味車としても実用車としても使えるアルファ75は、ちょっと古いアルファロメオを考えている人にとって捨て置けない存在なのであった。




【バイヤーズガイド】


01 最後の純血ロメオ

アルファロメオ最後のFR」といった感じで大いにもてはやされたアルファ75。一時期は後継モデルであるアルファ155より高いプライスタグを付けていた中古車があったほど。そう、若い人たちからすると信じられないかもしれないが、90年代までは「FWDはアルファロメオにあらず」という偏見があったことは確かで、後輪駆動、トランスアクスル、ドディオンアクスル、インボードブレーキ、純血アルミ製エンジン……といった成り立ちを持つアルファ75は、アルフィスタにとってヨダレが出そうなほど魅力的な存在だったのである。


と言いつつ最初から人気があったわけではなく、外観はそれらしく装ってはいたものの、破綻した(!?)ボディラインやプラパーツは不粋で、アルファロメオらしい優雅さに欠けていると揶揄されていたし、メカニズム的にもこのクルマが最初というわけではなく、70年代初頭からのアルフェッタやジュリエッタ(二世代目)と使ってきた物を、わけあってそのまま使わざるをえなかった……など、けっこう叩かれていたりもしたのだ。もっとも熱心なファンがいるアルファロメオなどは、いつもその繰り返しなのだけれど。


ただ確かなことは、いろいろな意味で純血アルファロメオはこのアルファ75で最後かもしれない、ということである。


02 直4はツインスパーク

思い起こせば戦後(第二次世界大戦のこと)すぐのジュリエッタに積まれていた1.3Lユニットに端を発する直列4気筒DOHC。しかしアルファ75に積まれるそれは、気筒当たり2本のプラグを持つシリンダーヘッドを採用した他、ボッシュ製モトロニックによってマネージメントが行なわれ、さらに可変吸気システムまで備わるという80年代らしい味付けが施されていたのが特徴である。


そして最高出力は145馬力、最大トルクは19㎏mを発生する。現在の水準からすると平凡な数字ながら、1200㎏足らずの車両重量のおかげで、けっこう活発に走る。いや、舞台が公道というのなら、最新モデルに遜色ないほど。


回転フィールはスムーズでシャープ。といってセンが細いかと言えばそんなことはなく、完璧に整備された個体なら30~40㎞/hといった低速から5速のままスロットルを踏んでもノッキングもせずジワジワと坂を登るといった骨太な面も見せてくれる。もちろんアルファロメオの4発の伝統で、本体自体の耐久性は文句なし。それにタイベル駆動ではなくチェーン駆動というのも精神的に負担が少ないといえる。


ちなみにメーカー発表値は0-400㎞/h加速は15.5秒、0-1㎞加速は29.2秒、最高速度は205㎞/hというもの。なかなかのパフォーマンスではなかろうか。


03 高度過ぎる足周り

このクルマの最大の利点であり弱点(!?)でもある足周りや駆動系。重量配分や室内空間、ハンドリングといったものにこだわった結果採用されたトランスアクスル


ようするにトランスミッションやデフなどをエンジンから切り離してリアにレイアウトし、50対50の理想的なバランスを確保した上、バネ下重量を軽くするためブレーキはインボードタイプ化、さらにキャンバー変化を嫌いドディオンアクスルとワッツリンクによる横方向の位置決めするシステムを採用……といったレイアウトは、確かに並みのスポーツカーがシッポを巻いて逃げ出すほど高度なレイアウトながら、20年以上が経過した今となっては、その複雑さゆえメンテナンスが大変といった“両刃の剣”的存在なのである。


もちろん定期的に的を射たメンテナンスを施せばまったく問題はないものの、果たしてどれくらいの人たちがそれを実行してくれるのだろうか。そう、このクルマを乗りこなせるかどうかは、どれほどのめり込めるかに掛かっている。1~2年味見をするだけならばそれほど大騒ぎをする必要はないものの、長く乗ろうと思ったのなら、その辺りのことも十分考えて行動すべき、と思われるのである。


ちなみに同じレイアウトを採る他のモデルたちと較べると、かなり熟成されていることは間違いなく、シャープ過ぎず、かといってダル過ぎず、事実上ニュートラルステアと言っていいハンドリングはやはり魅力的に映る。


04 セダンとして正しい居住空間

アルファ155までのベルリーナは、4ドアセダンとしてまっとうなレイアウトを持つのが大きな特徴。このアルファ75もスポーツセダンという世間一般のイメージとはウラハラに、ビックリするくらい快適な居住空間が与えられているのだ。


1700㎜を切る車幅の割りには横方向の寸法は不満のないレベルであり、1400㎜もある車高のおかげで頭上空間は余裕綽々。もちろんリアシートも真下にトランスミッションその他を抱え込んでいるせいで少々アップライト気味に座らせる形となるものの、逆に窮屈感がなくて前後のヒップポイントのバランスが取れていると感じるほど。


ちなみにシート自体はイタ車の常で大柄フカフカ系。ドラポジは少々『?』マークが付くものの、街乗りだけなら不自由はないレベル。またスクエアなウェッジシェイプボディのおかげでトランクも巨大である。


05 良くも悪くも80年代風インパネ

傾斜角の立ったAピラー、絞り込みの少ないサイドウィンドウ、適切な面積のガラスエリア……、アルファ75は実用車として正しい姿を見せてくれる。ハイデッキスタイルのためやや後方視界に難があるものの、街中での取り回しは文句ないレベル。それにステアリングにはパワーアシストが付き、先代のアルファタ系と較べると格段に扱いやすくなっていることは間違いない。


インパネ周りはスピートとタコが並ぶメーターはやや古典的な上、スクエアなラインで構成される80年代特有のデザインレイアウト。それにプラパーツが多用され、高級感があまり感じられないのはご愛敬といったところか。


また少々気になったのは、ウインカーやワイパーレバーなどの強度が不足気味という点。もし折れてしまったら確実にアッセンブリー交換となるし、パーツの手配で少々苦労するケースもあるかもしれない。


06 掟破りの操作系

まっとうな居住空間、必要充分な装備類、と褒めておきながらなんなのだけど、「こりゃ絶対おかしいよ!?」といった部分があるのもこのクルマの大きな特徴。


たとえばフロント側のパワーウィンドウスイッチは、なんと天井に付いているのである。初めて乗った人は100%探しまくるに違いない。それからコの字型のサイドブレーキレバー。最近リバイバルさせたクルマもあるし足踏み式よりはいいと思われるのだが、やはり変(この辺りはジェット戦闘機をモチーフとしているのかも)。使用頻度の高い物とか、咄嗟の時に使う物は、奇をてらわずに常識的な手法の方がいいと思う、絶対に。


07 慣れが必要なドラポジ系

ドラポジは普通。それ以上でも以下でもない。何も考えなければ不自由はしないのだが、真面目に考えると「ちょっと変かも?」的なところがチラホラと。でもすべては慣れの問題。


具体的に言うと、フカフカ系シートは座り心地はいいけれどホールド性はなし、ステアリングが遠くてペダルが近いというイタ車特有のドラポジはそのまま、踏み込んだ際のスロットルペダルとブレーキペダルの段差が大きくヒール&トゥが若干やりにくい、シフトはトランスアクスル特有の節度感がない物、シンクロは強化され1速に入れる時に一旦2速に入れなくても平気……などである。




【トラブル&メンテナンス】


[低価格の裏に落とし穴アリ]

一時期はアルファ155と逆転現象を起こしていたほどの人気を誇っていたアルファ75ながら、今ではようやくその加熱ぶりも収まり40~90万円といった中古車価格で推移している。中には30万円以下といったプライスタグをぶら下げている個体もあるほど。


ただ十分注意して欲しいのが、いくら激安で手に入るからといって、国産車のように維持費も安くあがるかといったら大間違いということ。特にトランスアクスル系は。高性能を維持するためには定期的なメンテナンスが必要不可なのである。


ラバーカップリングに注意]

アルファ75はトランスアクスルを採用していることもあり、フロントのエンジンからリアのトランスミッションへとプロペラシャフトで動力を伝達している。しかもクラッチまでリアにもっていったおかげで、走行している際はエンジン回転と等速でこのシャフトは回り続けているのである。


したがってシャフト周りのパーツ精度が非常に重要な役割を果たすことになる。それらが劣化してくると異音や振動、さらには大きなトラブルへと発展する可能性を否定できないのだ。


ちなみにプロペラシャフトとトランスミッションを接続しているラバーカップリング(そう、金属ジョイントではなくラバー製!)は、エンジンとトランスアクスルの間に3ヵ所あり、どちらかというと前側と中央部が切れやすい傾向がある。できればリフトアップして十分チェックしたい。切れているとグリスがはみ出してくるのでわれわれでも容易に判断がつく。交換の目目安としては約3万kmといったところか。


[各マウントは消耗品]

ラバーカップリング同様に、その他の部分のラバーブッシュ類の消耗は早めである。エンジンマウントは5万km前後、トランスミッションマウントは4万km前後での交換が望ましい。これらの劣化が進行すると走行がギクシャクしたフィーリングになることに加え、周辺パーツに悪影響を及ぼす可能性がある。


[クラッチの磨耗]

クラッチ関連の寿命はドライバーの使い方により大きく差が出てしまうものながら、平均的なケースを上げてみると、5万km前後で交換することが多いという。消耗度の判断としては、クラッチのレリーズからノイズが発生したり、走り出すとゴトゴト異音が出るのでそれと解る。そしてクラッチ周りはアッセンブリー交換となるので、掛かる費用はパーツ代6万円+工賃といったところか。


[3速A/Tの耐久性]

アルファ75が採用しているオートマチックトランスはZF製の3HP22と呼ばれる、オーバードライブが備わらない3速タイプである。実を言うとアルファ164などに採用された進化版である4速の4HP18と較べると、意外ながらこちらの方が圧倒的にトラブルが少ないのである。


4HP18はオーバードライブ付きで燃費やパワー伝達効率に優れた物であったが、コンバータ部分にアルミ素材が用いられており、それが磨耗してスベリを引き起こすケースが多かったからである。ちなみに92年前後を境に対策が施されているとのこと。


[ブレーキフェードに注意]

ブレーキに関しては少々注意が必要。特に熱対策が重要な鍵を握っている。エンジンルームではエキゾーストマニフォールドの熱がブレーキマスターシリンダーに悪影響を及ぼし、フルードが沸騰してブレーキが利かなくなるケースや(ちなみにお隣のウォッシャータンクも溶ける)、リアに関してもディスク位置がインボードタイプゆえ、これまたトランスミッションの熱でフェードしてしまうといったケースが報告されている。したがって、たとえば前者の場合はエキマニと補器類の間に遮熱板などを設けるのも有効な手段だと考えられる。


[サイドブレーキ構造]

ブレーキ関係でもう一つ。アルファロメオのインボードディスクのサイドブレーキは、別体のラック&ピニオン構造のカムによってパッドを押し込むタイプ。したがってパッド交換などのあと通常の対向ピストンのように、キャリパーにピストンを押し込むとラック部分を破損させてしまう可能性がある。


そしてモデルによってはピニオンギアがプラスチック製の物もあり、ナメてしまうと調整ができなくなる恐れもあるのだ。というわけでカム部分に突き出している調整用ボルトのロックナットを解除してフリーにしておくことをお忘れなく。またこれは通常のサイドブレーキ調整でも役に立つはずなので、覚えておいて損はないだろう。


[電気系の不具合]

80年代までのクルマの場合、ディストリビュータの消耗も頭の中に入れておいていただきたい。内部で接触不良が起きて正常に電気が飛ばなくなると、エンジンが息継ぎをするなどの症状が出てしまうのだ。加えてプラグコードも時を経ると、内部の断線あるいはキャップ内の錆などで電気の流れが悪くなることも多い。


もちろんフューズの接触不良やリレーの故障などはその他のモデルたちと同様である。さらには電動ファン関連のスイッチや配線などに焼け焦げがないか、などもチェックしたい項目。


[給油口周りの錆]

エクステリアでは燃料の給油口周りも注意してチェックしておきたい。この部分はへこんだ形状ゆえ雨水が溜まりやすく錆を誘発してしまう可能性が高いのである。70年代までのモデルたちと較べると防錆処理はかなり進んではいるものの、こういった部分は構造上の問題に加え鉄板自体の厚みが薄いこともあり、やはり錆には弱いと言わざるをえないのである。また同様に各部のウェザーストリップ周りも雨水が溜まりやすいので注意が必要。


[天井内張りの剥がれ]

天井の内張りが落ちてくるという症状も、この年代のクルマたちには良くある物。ただ張り替えは接着剤などの特性を理解した上で、モデルによって適切な対応をしないと、すぐに再発して剥がれてしまう、あるいは内張りの素材が再利用できなくなる、といった結果を招くこともあり、知識の豊富な専門業者と細部を打ち合わせた上で行なうことが大切である。


■SPECIFICATIONS
モデル名=ALFA 75 TWIN SPARK
全長×全幅×全高(㎜)=4330×1660×1400
ホイールベース(㎜)=2510
車両重量(㎏)=1190
エンジン形式=直列4気筒DOHC
総排気量(㏄)=1961
最高出力(ps/rpm)=145/5800
最大トルク(㎏m/rpm)=19.0/4000
燃料供給装置=モトロニック電子制御インジェクション
燃料タンク容量(L)=49
トランスミッション=5M/T
ブレーキF/R=ディスク
タイヤ/ホイール=195-60VR14/6.5J×14
最高速度(㎞/h)=205
0-400m発進加速=15.5
10モード燃費(㎞/L)=9.4


モデル名=ALFA 75 V6 MILANO
全長×全幅×全高(㎜)=4420×1630×1400
ホイールベース(㎜)=2510
車両重量(㎏)=1350
エンジン形式=V型6気筒SOHC
総排気量(㏄)=2492
最高出力(ps/rpm)=155/5500
最大トルク(㎏m/rpm)=21.0/3200
燃料供給装置=ボッシュLジェトロニック
燃料タンク容量(L)=67
トランスミッション=3A/T
ブレーキF/R=ディスク
タイヤ/ホイール=195-60VR14/5.5J×14
最高速度(㎞/h)=205
0-400m発進加速=17.5
10モード燃費(㎞/L)=5.7



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プロフィール

白くまオヤジ

Author:白くまオヤジ
はじめまして、ちょっと古いラテン車に目がない白くまオヤジです。自動車業界の裏方をやってます。ちなみに車歴はミニ・クーパー、ルノー5、リトモ130TC、VWゴルフ2、ビアンキ・アバルトなどです。

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