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白くまオヤジとまっ赤なアルファ
風体の上がらぬ白髪頭の40オヤジが手に入れたのは、なんとまっ赤なアルファロメオだった。ちょっと古いラテン車好きがアルファ147と繰り広げるドタバタ奮闘記。






白くまオヤジの戯言インプレ


ここで紹介する試乗記は、個人的な感想を綴ったものです。あくまでも専門家の評価ではありません。商品開発のためにテストした、あるいはオーナーさんの好意で試乗させて頂いた、など。それらの際にメモを取り、まとめた物です。コーヒーブレイク(!?)といった感じで、お付き合いしてもらえるとうれしいです。




ALFA 147 1.6 TS
※2004年9月試乗



「1.6Lエンジンを積んだアルファ147は、アルファ・ロメオ入門として最適!」と、ワタシも最初はそう考えていた。手の届く価格、手頃な大きさ、高回転型のエンジンなど、まさに若い人たちにとってうってつけの存在だと。しかし、今回ジックリとテストして解かったのは、「クルマを良く理解している人たちにこそ乗って欲しい!」ということ。


そう、若い人たちに受けるような解かりやすい魅力を持っているのは2.0Lの方、だと思うのである。十分なパワーを感じさせてくれるし、限界内だったらグイグイ曲がるハンドリングもいい。さらには固められた足周りとセレスピードで、まるでスポーツカーを走らせている気分に浸れる。


対して1.6Lの方は、さすがに120馬力のエンジンで1240㎏のボディを引っ張るのは荷が重いし、足周りはやわらかい上に15インチのホイール&タイヤは押し出しに欠け、BOSEサウンド・システムやCDチェンジャーといった物も装備されない。しかもマニュアル・トランス・オンリーで最新のエレクトリック・デバイスも最小限。ハッキリ言って若い人たちにはすぐ理解出来ないのではなかろうか、このクルマの真の魅力を。




しかし、クルマを良く知っている人たちには、それら全てがプラス材料となる。低回転域でのトルクが細い上に車重が重く、出足の鋭さこそ期待出来ないものの、ショート・ストローク・エンジン特有のガンガン回す楽しさや、まるで往年のフラット4のごとくエンジンの『鼓動』が感じられるのもアルフィスタの心をくすぐる。


そしてシンクロの利きも十分で節度感のある5速マニュアル・トランスを駆使して小気味良くシフト・チェンジすれば、それこそアルファ・ロメオらしい本来の楽しみ方が堪能出来るというもの。それに遅いといってもスピードに乗ってしまえば高速巡航も可能であり、最高速度のデータは195㎞/h、0~100㎞/h加速は10・6秒、0~1㎞区間加速は31・8秒と、最高速度こそ及ばないものの、2.0Lセレスピードの11・8秒、33・5秒を大きく上回るデータ。そう、一般道では1.6Lの方が俊足(!)なのである、意外や意外に。


足周りだって街乗り+αで使う足グルマと考えるなら、やわらかい方がいいに決まっている。スプリングとダンパーのバランスが悪く、大きくロールするのにガタガタゴトゴトと不快な乗り心地を示す初期のセレスピードとは雲泥の差。テスト車に履かされていたグッドイヤー・イーグルNCT5は、195/60R15というサイズは妥当ながらブロック・ノイズや角のある当たりで多少損をしていて、「あともうちょっと……」という気持ちにはさせられたものの、これはまともなタイヤに履き替えればいいことで、セッティング自体は悪くないと感じる。


それに初期反応ばかり鋭くて、追い込んでいくとだらしないアンダー・ステアが顔を出し、さらにある一定のレベルからは逆にリアがブレイクするという悪い癖も、この1.6Lでは上手に抑えられている。たとえば140㎞/h前後からステアリングを切りながら軽いブレーキングを必要とする中速コーナー。テスト・コースで試したところ、大きくロールしながらも荒波に翻弄される小船のようにグワングワン揺れることもなく、さらに限界を超えてリアが流れ出してもその流れは穏やかで、決してカウンターを当てるようなスリリングな状態には陥らないのである。


またトラクションも良く掛かり、エレクトリック・デバイスによる失速感もない。それに国産車のごとく軽過ぎる設定から、適度な手応えと路面やタイヤからの情報が伝わってくるようになったパワステも好感が持てる物。何て言ったらいいのだろう、上手く表現出来ないものの『ドライバーの腰を中心に自由自在に動く』感覚、である。ド・ノーマルでこのレベルなら決して悪くないのではなかろうか。


最後に燃費の話。テスト・コースを走った時が11・5㎞/L、高速道路を100㎞/h巡航した時が14・5㎞/L、都市部の渋滞の中を走った時が12・1㎞/L、トータル1600㎞を走破しての平均は13・9㎞/Lというもの。テスト・コース以外は40度近い猛暑の中でエアコンをガンガン利かせていたことを考えると、まずまずのレベルではなかろうか。たとえばエアコンなしで過ごせる時期であれば16㎞/L近くはいくような気がする。


1.6Lユニットを積んだアルファ147、このクルマこそワタシたちクルマ好きが求めてきた最高のアルファ・ロメオである。


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プロフィール

白くまオヤジ

Author:白くまオヤジ
はじめまして、ちょっと古いラテン車に目がない白くまオヤジです。自動車業界の裏方をやってます。ちなみに車歴はミニ・クーパー、ルノー5、リトモ130TC、VWゴルフ2、ビアンキ・アバルトなどです。

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