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白くまオヤジとまっ赤なアルファ
風体の上がらぬ白髪頭の40オヤジが手に入れたのは、なんとまっ赤なアルファロメオだった。ちょっと古いラテン車好きがアルファ147と繰り広げるドタバタ奮闘記。
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白くまオヤジの戯言インプレ


ここで紹介する試乗記は、個人的な感想を綴ったものです。あくまでも専門家の評価ではありません。商品開発のためにテストした、あるいはオーナーさんの好意で試乗させて頂いた、など。それらの際にメモを取り、まとめた物です。コーヒーブレイク(!?)といった感じで、お付き合いしてもらえるとうれしいです。




ALFA 147 2.0 TS
※2002年2月試乗


ギリシア時代の哲学者のような、アマゾンに生息するナマズのような、なんとも形容のし難い造形を見せるフロント周り、アルファロメオのシンボルである楯と、バンパー&ボディをうまく融合させたデザインは見る者を圧倒する。


またエンジン・フードやボディ・サイドにかけては大理石を彫刻刀で削ったような手法が用いられ、これによりけっしてコンパクトとは言えなくなってしまったボディ・サイズをもちながら、あるいはボリュームをもたせるようなサイド・フォルムをもちながら、けっして“デブ”には見せていない。


あえてクラシカルな雰囲気を醸し出すために、手で握る形状が採用されたドア・ノブはメッキが施されており、ワタシはそのドア・ノブを引いてドアを開けた。しかし、そのドアは3ドアゆえに大きく重く、さらに一段階目の引っ掛かりが約30度ほど、二段階目が約50度ほどであり、狭い駐車場などでは乗り降りに若干苦労させられると感じた。一段階目では開閉角度が狭すぎて身体が引っ掛かり、二段階目では隣のクルマにドアをブツける可能性がある、ということだ。


ドアを閉める。アルファ156から劇的に変わった剛性感はさらに向上し、ドイツ車と較べてもまったく遜色のない出来栄え。ちょっと前のイタ車はヒンジの剛性が低く、5~6年でドア下がりが起こる、なんていうことは日常茶飯事だったのだけれど、最近のモデルはそんな心配をすること自体、ナンセンスなのかもしれない。


テスト車のシートはオプションのレザー仕様となっていて、従来よりレザーの質が向上したとはいうものの、個人的にはあまり感心は出来なかった。傷付きやすい上に身体が滑る。クロス地の方がいい。しかもシート自体も誉められたものではなく、サポート性を確保しながら窮屈感を抱かせない形状ながら断面形状が良くない。中央部分のコシがなく身体が沈み込み、長時間に渡るドライブだと腰が痛くなってしまう。


もちろん、調整可能なシート座面高とバックレストの角度、はたまたステアリングのチルト&テレスコピック機構を駆使して最適なドライビング・ポジションを設定しても、である。ただシートの調整幅が大きいというのはありがたいことであり、とくに座面高を大きく変えることが出来るのは歓迎するところで、これであればチルト機構は必要なかったのでは、と感じた。ナゼならステアリング・コラムの剛性感がいまひとつだからである。


目線を正面に移すとシルバーの縁取りをもつ3連メーターが目に入る。右から7000回転からレッド・ゾーンとなるタコ・メーター、水温計/燃料計/マルチファンクションディスプレイ、240㎞/hまで目盛られたスピード・メーターだ。


ステアリングはエアバッグを装備しているとは思えないほどスマートな3本スポークで、そのスポーク上にはオーディオの操作スイッチが装備される。これで走行中でもステアリングから手を離さずに操作が可能となった。そしてステアリング・コラム右側にワイパー・レバー、左側にヘッド・ライト&ウインカー・レバーが配置され、センター・コンソールにはオーディオ、小物入れ、カップ・ホルダー、テールゲート・オープナー、フォグ・ランプなどのスイッチが並び、さらにその下にはエアコンの操作パネルがレイアウトされる。もちろん助手席側のダッシュボードにはエアバッグとグローブ・ボックスが装備される。


またパワー・ウィンドウのスイッチは、ドア・ミラー調整用スイッチと並んでドアの内張り側に配置されるのだけれど、雨天時にドアを開けたり、雨上がりにウィンドウを開けたまま走り出してしまうと、Aピラーに溜まっていた水がコクピット内に飛び込み、かなり濡れることになるので注意が必要だろう。しかもその水がパワー・ウィンドウのスイッチ部分に溜まってしまうので、一体成形となりクォリティが向上したとは言うものの若干心配ではある。


イグニッションキーをひねりエンジンをスタートさせる。ABCペダルはオフセットもなく自然なポジションが取れるレイアウトになったほか、右ハンドルの作り方も次第に慣れてきたようで、ひと世代前のモデルと較べると雲泥の差だ。


もっとも、ブレーキ関係のパーツ類は右ハンドル車専用の取り回しというわけでないようだが、それでもまずまずのフィーリングを作り出している。ただ、もう少しスロットル・ペダルよりブレーキ・ペダルを手前にもってくるようセットして欲しかった、というのが正直なところ。その方がペダルの踏み間違いが起こりにくい上に、何よりヒール&トゥがもっとやりやすくなるのだ。


またドライバーの身長によっても変わってくるのだけれど、ペダル類の角度が立ち過ぎており、足首に負担が掛かるケースも考えられる。たとえば身長が170㎝しかない上に足が短い(?)ワタシは、かなり窮屈な印象を受けてしまった。高速道路のような場所で、長時間一定速度で走リ続けるような場合は特にそう感じる。


追加発売されたMT仕様をテスト


Hパターンのシフト・ゲートに沿って1速にリンケージし、ゆっくりとクラッチをリリースしていくと、アイドリング付近でのトルクの発生が上手くプログラムされているのだろう、スロットルを踏まなくともスムーズに発進できる。クラッチ・ペダルは異様に軽く、奥の方でもミート付近でも引っ掛かるようなクセもなく扱いやすい。スロットル・ペダルも軽い。


そして1速から2速、そして3速へとシフト・アップしていく。フィーリングは最近のドイツ車のように、ストロークはあるもののそれなりに節度感を伴う設定。もう少し小気味良いとシフトする楽しみが増えるのだが、この程度であれば“まずまず”という表現を使っても支障はないはずだ。


ブレーキも良く利く。いや、オーバー・アシスト気味で利き過ぎるくらい。不用意に踏むとカックン・ブレーキとなってしまい、ルーキー・ドライバーだけでなく、慣れない内はコントロールに気を遣うかもしれない。


また、さらに驚いたことにクラッチ、スロットル、ブレーキだけではなく、ステアリングも気持ち悪いほど軽く、まるでH車やT車のクルマに乗っているような錯覚に陥ってしまった。正直言ってパワー・アシストの利かせ過ぎではなかろうか(車速感応式とはいうものの、高速域でも十分過ぎるほど軽く頼りない)。もっとも国産車から乗り換えたばかりの人たちにとっては歓迎すべき点であり、たとえアルファロメオといえども何も違和感なく乗れるということでもある。普段から重いステアリング(その他の操作系も)をもつ上にジャジャ馬的な特性をもったクルマばかりに乗っているワタシからしてみると、別世界のような気がする。これは慣れの問題もあるのだろうが、もう少しクルマや路面の状況をドライバーに伝えてきてもいいのでは、と思う。


それからやわらかい足周りのセッティングも戸惑いを覚えたことのひとつ。マニュアル仕様に組み込まれているのは、かなりソフトなスプリング&ダンパーであり、軽過ぎるパワステの設定と相まって、上手く荷重をコントロールしてあげないと、同乗者が酔っ払ってしまう可能性も無きにしも非ず、である。


205/55R16サイズのコンチネンタル・タイヤは、ブロック・パターンに欠陥があるのかロード・ノイズが大きい上、ウェット路面でのトラクション・インフォメーションが希薄であり(これはパワステのせいもあるのだけれど……)、グリップ・レベルは平均的なものながら、個人的には好みのフィーリングとは言い難かった。高速巡航ではエンジン音より、この路面とタイヤから発せられるノイズの方がウルサイと感じたくらい。


ただ、誤解して欲しくないのは、このやわらかいスプリングとダンパーの組み合わせが悪いと言っているのではないということ。パワステのクセさえつかんでしまえば、街乗りプラスαで使う分には、このくらいの設定の方が快適に走れるのではなかろうか。セレスピードに組み込まれた固めのスプリング&締め上げられたダンパーと較べれば、百万倍は快適である。


アルファ156の時もそうだったのだけれど、何で日本に導入される仕様はいつも固い足周りと太いタイヤが履かされているのだろう。出来ればそのクルマを設計したエンジニアがベストと考える組み合わせで乗った方がいいんじゃなかろうか。そうでなければ、そのクルマ本来のポテンシャルは解らないと思う。


クルマの大きさを感じた第一印象とは裏腹に、混雑した幹線道路、狭い住宅街の道路でも、クルマの取り回しは悪くない。最小回転半径は5・75m(ウォール・トゥ・ウォール)と、小回りが利くとはお世辞にも言えないというのに、かなりシート座面を下げて目線を低く設定したとしても、フロント・ノーズやドア・ミラーの描く軌道を察知するのは容易で、国産3ナンバーミニバンなどに乗り慣れている人なら、余裕を持って走らせることが可能だろう。


ただバックする際は、ミラー形状や太いCピラー、ショルダー・ラインの高さなどによって死角が多く、慣れるまでは慎重に操作した方がいいかもしれない。


一般道での取り回しをチェックしたあとは高速へ


渋滞する市街地を抜け首都高に入る。料金所の支払いもまったく苦にしない。そう、このモデルも右ハンドルなのである。左ハンドルには冷たい日本の道路事情ゆえに、右ハンドルを積極的に導入してくれるフィアット・オート・ジャパンには感謝(!)である。やはり日本で乗るなら誰がなんと言おうと右ハンドルに限る。それは足グルマでもスーパーカーでも一緒。


150馬力を発生する2L/DOHCエンジンは驚くほどパワフルとは言えないまでも、マニュアルでも1280㎏という軽くないアルファ147のボディを十分な速度で走らせる。ちなみにパワー・ウェイト・レシオは約8・5㎏/psだ。


「可変バルブタイミング機構が備えられ、低速域では燃費や排気ガスなどを考慮しつつ十分なトルクで引っ張り、いざ高回転まで回すと官能的ともいえるサウンドとパワーでドライバーを楽しませてくれる」と、メジャー自動車雑誌ではリポートされていたが、残念ながらそこまで大そうなものではない、というのが正直なところ。


ひいき目に見ても電気モーターのような回転フィーリングで抑揚がなく、負荷が掛かった時のトルク特性はお世辞にも“力強い”とは言えないものであり、同じフィアット製あるいはアルファロメオ製のエンジンなら、昔のキャブ時代の方が豪快で力強く、回して楽しいエンジンだったと言える。もっとも今さら較べてみても仕方がないことなのだけど……。


またノイズも大きく、3000回転付近を超えると俄然賑やかになってくる。しかしライバルと考えられるゴルフⅣに対抗するため遮音材がかなり組み込まれているようで、エンジン・ノイズを無理矢理抑え込んでいるような印象。


直進安定性はますまず。軽いパワステに慣れれば、緊張感を伴うことなく高速巡航が可能。したがってまともなタイヤさえ履けば、ウェット時でも同様なフィーリングが得られるはず。ただこれはクルマの基本設計が良くて安定しているのではなく、さまざまなデバイス(仕掛け、装置)によって矯正させられている、と感じられるもの。いわゆる“セッティングの妙”とでも言ったらいいのだろうか。少々スポーティな走りをすると、ABSやらトラコンやら何やら、様々な装置が働いているのが感じられる。


車検証に記載されている前後の重量配分を見ると、フロントが820㎏、リアが460㎏と、恐ろしいほどフロント・ヘビー。今時これほどバランスの悪いクルマもめずらしい。アンチ・スリップ・レギュレーション(ASR)をOFFにした場合、トルクテスアは如実に出る上に(ステアリングから手を離した状態でスロットルを踏むとまっすぐ進まず左右に振られること)、1~2速主体のコーナーの立ち上がりでラフに踏むと、トラクションが伝わらずクルマが暴れるほど。


加えてコーナリング中にスロットル・ペダルを戻すと、内側に巻き込む仕草を見せるのだが(これはタックインと呼ばれる)、この挙動も顕著に出る。最近のFWDしか乗ったことのない人だと、多少戸惑う場面もあるかもしれない。


志は高いものの具現しきれていないハンドリング


御殿場で高速を降り、初夏のみずみずしい若葉が萌える箱根のワインディングへ。エンジンの回転フィーリングは電気モーターのごとくフラットなパワー&トルク特性であり、少々盛り上がりに欠けるかもしれないが、レッド・ゾーンまでシッカリと回りストレスは感じられない。2~3速が多少離れてはいるもののギアの繋がりも悪くないし、シンクロも十分機能している。


それにブレーキも良く利く。剛性感があるとは言い難いが、踏み初めからグッグッと制動力が立ち上がり不安感はない。ただ、前述したようにスプリング&ダンパーがやわらかいため、ブレーキング&コーナリング時の荷重移動の変化が大きく、すぐサスのストロークを使い切ってフルバンプ状態になり、そこからアンダーステアが発生するほか、サスアーム類の支持部の剛性感が低いこともあって、それらすべての要因によりABSやASRなどの介入が思いのほか早いことは覚えておいた方がいいだろう。


ウエット路面ではどうか(?)正直言って慣れるまではASRをONにしておいた方が無難かもしれない。OFF状態ではステアリング角度が適切でなかったり、上り坂でフロントに荷重が掛からない場合では、3速でもトラクションが掛からずクルマが暴れる。したがって雨の日の高速運転はくれぐれも慎重に行なった方が賢明だろう。


またもうひとつ雨天時に気がついたことをあげておくと、ドア・ミラーの形状が原因なのか、根元部分の空気の流れが乱れ、かなり飛沫を撒き散らすのが気になったと言えば気になった項目。風切り音自体も大きいので、根本的にデザインに原因があるのではなかろうか。


ちなみに燃費の報告をしておくと、走った距離はトータルで1243㎞、掛かった燃料は135・7L。平均値は9・16㎞/Lとなった。そして内わけはワインディングを走ったと時が7・2㎞/L、高速道路を中心に移動した時が11・2㎞/L、都市部の渋滞路+首都高という一般的な使い方をした時が10㎞/Lだった。思ったより燃費は良くなかった。電子制御で緻密なコントロールをしている最新の2LのDOHC車としては、もう少しガンバッて欲しかった、というのが本音である。


156&147は社史に残る佳作


正直言ってアルファ156がデビューした際「アルファロメオがこんなに良くなっていいのか」と感じたものだが、アルファ147はさらにその上をいっている、と感じられる。かなり薄まってはいるもののアルファロメオの味は確かに感じられるというのに、国産車と変わらぬ気軽さも持ち合わせている。


ただ、いまだに個体差が大きいのは事実であり、つまり壊れないクルマは何年経っても何も起きないのに対し、“ハズレ”のクルマは引っきりなしに何かが壊れる、といったことが起こりうるのである。当然「初期モデルには手を出すな!」と言うセオリーは生きているだろうし、ディーラーによって技術レベルの差が大きいなど、けっしてすべてがクリアになったわけではなく、具体的なトラブルも、たとえばコンピュータ&イモビライザー関係のトラブル、アース不良や配線関係のトラブル、製造過程のミスによる内燃機のトラブル……などが起きていることは承知の事実なのである。


それでもアルファ147は“買うに値しないクルマ”では断じてないと思われる。イタリア本国からエンジニアなどが来日し、日本市場で発生したトラブルを確認し、随時対策が施されているというから、歩みは遅いものの確実に前進していることは間違いないなのである。


さらに言えば、たとえ頑丈なイメージのあるドイツ車であっても、あまり表面には出てこないもののけっこう壊れている(クレームの処理が上手いのだろう)のは事実であり、もっと言えば国産車でも壊れる物は壊れるし、アタリハズレもある。強引な言い方をすれば皆一緒、とも言えるのである。


それでは最後にいつものセリフで締め括っておきたい。「ようこそ蛇と十字架の世界へ」。


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プロフィール

白くまオヤジ

Author:白くまオヤジ
はじめまして、ちょっと古いラテン車に目がない白くまオヤジです。自動車業界の裏方をやってます。ちなみに車歴はミニ・クーパー、ルノー5、リトモ130TC、VWゴルフ2、ビアンキ・アバルトなどです。

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