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白くまオヤジとまっ赤なアルファ
風体の上がらぬ白髪頭の40オヤジが手に入れたのは、なんとまっ赤なアルファロメオだった。ちょっと古いラテン車好きがアルファ147と繰り広げるドタバタ奮闘記。
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ALFA ROMEO
ALFA GTV6/2.5
アルファロメオGTV6/2.5


【メインテキスト】

スロットルペダルの操作に敏感に反応し、レッドゾーンまでストレスなく吹け上がるV6ユニット、低レベルなアンダー&オーバーを感じさせない凝りまくったサスペンション構造、ジュジャーロによる優雅なクーペボディ、80年代の終わりに初めてこのクルマをドライブした衝撃は今でも忘れられない。そう、当時のワタシの目には、まるでスーパーカーのごとき存在に映ったのである。


そんなアルファGTV6/2.5(アルフェッタ)は1980年11月デビューした。それまでに人気だった2.0Lエンジン搭載のクーペモデル、アルフェッタGTに、当時アルファロメオにとって最高峰であった2.5LのV型6気筒SOHCユニットを押し込んだスーパーモデルである。加えてデビューして間もなくから参戦していたヨーロッパのツーリングカーレースで、82年から4年連続チャンピオンシップを守り続けたグループAカーのベースとなったモデルであった。


わが国にも新車で輸入された実績があり、その後に輸入された個体を含めると、現在でも相当数のGTV6が棲息しているだろう、という話。新車当時は確か700万円近いプライスだったと記憶するが、いずれにせよサルーンのアルファ6と共に、アルファロメオのトップエンドモデルであったのは確かである。


もう一度おさらいしておくと、フロントに搭載された2.5Lの総排気量を持つV型6気筒SOHCユニットは、ボッシュ製のLジェトロニックという電子制御燃料噴射装置により、6000回転で160馬力の最高出力を発揮する。現在の基準からしても、サウンドを含めスポーツエンジンらしい小気味良いレスポンスが感じられる物だ。


加えて5段のマニュアルトランスミッションと組み合わされて後輪を駆動する。前後の重量配分のためにトランスミッションはデフと一体化されてリアに搭載するというトランスアクスル方式。この時期のアルファロメオが好んで用いていたメカニズムである。またカタログでは最高速度は210km/hと謳われていた。


ジュジャーロ・デザインのシャープなボディラインは、現代の目で見てもクリーンで魅力的。エンジンフード上にあるパワーバルジがひと回り大きなV6エンジンを搭載しているGTV6を象徴している。が、ことさら“GT”だの“R”だのと強調するのと対照的に、これ以外ではリアの小さなエンブレムでしかその素性は知れない。こんなところからも大人のスポーツクーペ、といった印象もある。

全長は4260mm、ホイールベースは2400㎜だから、今の標準からするとコンパクトで取り回しも容易。車幅も1665mmといった旧き佳き時代のディメンジョンを保つ。インテリアはスタイリングから想像するより広い4人乗り。四角いメーターが並ぶインストゥルメントや布張りのシートなど、上等なイタ車といった雰囲気のインテリアが広がる。


現在、このGTV6を含めてアルフェッタ系モデルの中古車価格は超低空飛行である。したがって今こそ手に入れる絶好のチャンスといえる。ただ注意点もある。それはメンテナンスに掛かる労力と費用である。たとえ初期投資は最小限であっても、軽自動車を維持することとはまったく異なり、相応の付き合い方がオーナーに求められてくるのである。そう、あくまでもGTV6はスーパーカーなのだから。




【バイヤーズガイド】


01アルファGTV6の変遷
アウトラインを簡単にお話するとこのようになる。1970年代中盤に人気モデルだった2.0Lエンジン搭載のクーペモデル、アルフェッタGTに、当時アルファロメオの中では最高峰だった2.5LのV型6気筒SOHCエンジンを搭載してデビューしたのが、このアルファGTV6/2.5である。時は80年11月。そして思ったような成果が挙げられずにいたヨーロッパ・ツーリングカー選手権を、本気で制覇するために誕生したという背景も持つ。果たして、その目論みの通りGTV6は、グループAのディビジョン2を4年連続で制覇するという偉業を成し遂げるのであった。ちなみにわが国にも新車で相当数が輸入されたようで、生粋のアルファロメオの高級スポーツカーとして、エンスージアストの垂涎の的となったのである。


02熟成なったトランスアクスル
特徴的なトランスアクスル(トランスミッションとデフを一体化しリアアクスルに配置するという、前後の重量バランスの改善を追求したレイアウト)、縦置きトーションバーによるフロントサスペンション、コイルで吊られたドディオンアクスル……といったレイアウトは、アルフェッタGTをそのまま継承。異なるのはダンパーやスプリングの設定、ベンチレーテッドになったフロントディスク、ホイール&タイヤが6.0J×15+195-60HR15にアップグレートされた点。スポーツカーその物の高度な足周りである。


03特有なヘッド構造を持つV6
自慢のネタは数あれど、もっとも注目すべきは心臓部。60度のバンク角を持つV型6気筒SOHCユニットである。特徴はタイミングベルトで駆動される各バンク1本づつのカムシャフトを持つSOHCユニットながら、エキゾースト側はロッカーアームを介してバルブを上下させるという高度なメカニズムを採用しているところ。これは燃焼室の天井中央にプラグを配置させるため、ヘッド重量を増やさないため、エンジン幅をコンパクトにするため、と考えられる。


そしてヘッド&ブロックともアルミ合金で、排気量は2492㏄、9.0の圧縮比、88.0×68.3㎜というショートストローク、さらにはボッシュLジェトロニック電子制御式インジェクションを装備することによって、珠玉のユニットに仕立て上げている。


さらに言えば、低速域ではセンの細さを若干感じさせるものの扱いにくさは皆無で、2000回転も回っていれば十分なトルクを発生。さらに4000回転の目盛りを超える辺りから、まるでキャブ仕様のように生き生きとしてくるのも好き者にはたまらないチャームポイントとなる。この心臓部だけでもこのクルマを持つ価値がある、と断言してもいい。その代わりオイルや水周りの管理など、小まめなメンテナンスは必須である。


04唯一の弱点はシフトフィール
このクルマの唯一の弱点とも言えるのがシフトフィーリング。ストロークは長めで節度感もなく、あまり積極的にシフトチェンジを行ないたいという気にさせないのが玉に瑕である。トランスアクスルを採用した弊害の一つ。


とはいうものの、少し前までのフェラーリだって操作にコツを必要(サーキットでの全開走行でも繊細で的確な操作を要求された)としていたのが普通であったし、それをなだめすかしてスムースに走らせるのがウデの見せどころだったのだから、このクルマも一緒と言えば一緒。壊さず速く走るテクニックを磨くこと(!)である。


ちなみに型式は4気筒系のアルフェッタと同じ5速マニュアル。若干ギア比を変えている程度。ちなみに100㎞/h時のエンジン回転数は約3000回転であった。またエンジン特性との相性も合格ラインである。


05現代化されたインテリア関係
ベースとなった4ドアモデルのアルフェッタと較べると、多少現代的になったインパネ周り。といっても、いわゆる80年代風。回転計/速度計/時計といった三連メーターが正面にレイアウトされ、その右横、センターコンソール上部には、さらに燃料計や水温計、油温計などのメーター類、各スイッチ類が一箇所に集中して並ぶというデザイン。ひいき目に言えば、一時期のスーパーカー風とも言えなくもない。


またステアリングはラック&ピニオンで当然のことながらノンパワステだが、狭い駐車場での切り替えしなどで多少重さを感じるものの、走り出してしまえばまったく問題にならないレベル。ダイレクトで正確なインフォメーションを伝えてくるそのフィーリングは、電子デバイスで塗り固められた最近のクルマとは雲泥の差である。


06意外とまともなドラポジ
ドライビングポジションは“短足&手長ザル”的。いわゆるイタポジである。ステアリングに合わせると足下が窮屈になり、逆にペダルに合わせるとステアリングが遠くなる、というアレである。と言いつつ、シート自体の上下調整は可能であり、ステアリングにはチルト機構も備わっているから、アルファロメオの中ではまともな部類に入るのではなかろうか。ちなみにベルベット風の布張りシートは、適度にソフトな上にサポート性もまずまず。リアシートもこの手の2+2としては大人が不自由なく座れる空間を確保しているのがポイント高し。


07アルフェッタで幸福になる条件
正直なところ、中途半端な気持ちで手を出さない方がいいクルマであることは確かである。このクルマで幸せになろうと思ったら「大ヤケドをする前に手放す&味見をする程度でガマンする」か、逆に「一生乗るつもりでのめり込む」の二通りしかない。安易な気持ちで手を出すと、いろいろ手を掛けたものの結局オイシイところを何も味わえないで終わってしまう、といったことにもなりかねないのである。


掛かる費用は他のアルファロメオと変わらない、いや多少掛かるくらい。だから中古車価格の安さだけで飛び付くと、買ってから「けっこう維持費が掛かるんだなぁ」になりがち。そう、元々このクルマは高性能スポーツカーなのである。逆に「そんなクルマをこんなに安く買えて幸せ」「手は掛かるけどスポーツカーなのだから当然」、と考えられれば付き合いは長い物となる。妥協を許さない尖がり切った本物のアルファロメオのスポーツカーが100万円以下で手に入る、今がラストチャンスのような気がする。






【トラブル&メンテナンス】


[V6ユニットとの付き合い方]
SOHC系のV6ユニットに共通して言えることなのだけど、オイルや水周り、さらにはバルブクリアランスの管理、そういったことを絶対に怠らないこと、である。これは鉄則(!)というのも、攻めたバルブ駆動周りの設計のおかげで、繊細な対応が求められてくるからである。また同様の理由から頻繁にレッドゾーンに入れることも自粛しておきたい。バルブやアーム類に支障をきたす恐れがある。


[駆動系のガタに注意]
駆動周りや足周りのガタは、トランスアクスル系のウィークポイント。たとえばエンジンと等速で回転しているプロペラシャフトを接続しているラバーカップリング、エンジンやトランスミッションを支えているマウント類、ドディオンアクスルの左右の動きを規制しているワッツリンクのブッシュ、上下サスアームのブッシュなど。これらが劣化してくると異音や振動が発生し、本来の性能が発揮できなくなる。定期点検を心掛けたい。



[利きが甘いリアブレーキ]
バネ下重量の増加を嫌ってドディオンアクスルに加えてインボードディスクとされたリアブレーキのレイアウト。優れた構造であることは間違いないものの、現実問題としてやや注意を要するレイアウトでもある。なぜならドディオンに加えてリアにトランスミッションをレイアウトするトランスアクスル方式を採用したことにより、トランスミッションの熱がブレーキ周りに悪影響を及ぼすケースが少なくないからである。フロントにインボードレイアウトを採用したアルファ・スドほどではないにせよ、ハードブレーキングを繰り返すとやや利きが甘くなってしまうことは頭の隅に入れておいていただきたい。


というわけで、フルードやキャリパーの状態を、定期点検することをくれぐれもお忘れなく。もちろんバッド交換だけでもコツが必要だから、この手のクルマに慣れたメンテナンスファクトリーで行なうことが賢明である。


[あいまいなシフトフィール]
アルフェッタ系の弱点、それはシフトフィールの悪さである。リアにトランスミッションをレイアウトしているために長いリンケージを必要とし、遠隔操作のごとくあいまいな操作フィールなのだ。初めてドライブした人は「どこのギアに入っているのか解らない」となるかもしれない。したがってシフト操作はあくまでも丁寧に確実に。欲を言えばワンテンポおいてからリンケージするだけではなく、ダブルクラッチを踏んでギア周りの回転数を感じながらチェンジして欲しいところ。トランスミッションのオーバーホールは安くない。ちなみにシンクロはポルシェタイプと呼ばれる物。


[プラパーツの破損]
最終モデルであってもすでに20年以上が経過し、ゆえにプラスチックパーツはかなり強度が落ちていると考えていた方がいいかもしれない。エクステリアではドアノブやエンブレム。インテリアではレバー類やスイッチ類、エアダクト、ドアオープナーなど。突然ポキッといく可能性は十分ある。この年代のクルマたちのパーツの供給はお世辞にも良いとは言えないこともあり、そうなった場合は根気良く探すしかない。ただ、本国イタリアでも、次第に減ってきているというのが現状である。






■SPECIFICATIONS

モデル名=GTV6/2.5
全長×全幅×全高(mm)=4260×1665×1300
ホイールベース(mm)=2400
トレッドF/R=1365mm/1360mm
車両重量=1210kg
エンジン形式=水冷V型6気筒SOHC
ボア×ストローク=88.0×68.3mm
総排気量(cc)=2492cc
燃料供給装置=ボッシュLジェトロニック
圧縮比=9.0:1
最高出力(ps/rpm)=160/6000
最大トルク(kgm/rpm)=21.7/4000
トランスミッション=1速3.500/2速1.956/3速1.345/4速1.026/5速0.780
最終減速比=4.100
ステアリング形式=ラック&ピニオン
サスペンション形式F/R=Wウィッシュボーン+コイル+スタビ
/ドディオンアクスル +コイル+スタビ
タイヤ/ホイールF/R=195-60HR15/6.0J×15
ブレーキ形式F/R=Vディスク/ディスク
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プロフィール

白くまオヤジ

Author:白くまオヤジ
はじめまして、ちょっと古いラテン車に目がない白くまオヤジです。自動車業界の裏方をやってます。ちなみに車歴はミニ・クーパー、ルノー5、リトモ130TC、VWゴルフ2、ビアンキ・アバルトなどです。

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